同期電動機の始動法

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今回は「同期電動機の始動法」について書いていきたいと思います。

ここでは、始動法の紹介に入る前に、「何故さまざまな始動法が必要なの?」ということから入っていきたいと思います。

それでは、Let’s go!!

なぜさまざまな始動法があるのか?

こちらの記事↓では、誘導電動機の始動法について書きました。

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誘導電動機にさまざまな始動法が存在するのは「始動時に流れる”突入電流”」を抑制するためでした。では、同期電動機に何故様々な始動法あるのかというと「始動トルクを持たないから」です。そんなに難しい事ではありません。イメージで十分理解できます。

同期電動機の回転メカニズムを簡単に言うと、<画像1>のように、「回転磁界に、磁石である回転子が追従する」となります。

<画像1>

N極とS極には引力が働き、N極同士・S極同士には斥力が働く。これを利用して回転しているのです。

では想像力を働かせましょう。

回転磁界の回転速度は、周波数$f=60[Hz]$、極数$p=4$とすると、

$$\begin{align}N_{s}&=\frac{120f}{p}\\&=\frac{120・60}{4}\\&=1800[min_{-1}]\end{align}$$

となります。これは、一分間で1800回転するという意味で、一秒間当たりに変換すると、30回転になります。一秒間で30回転というのはとんでもない速さですよね。

下に<回転磁界GIF>を貼りましたが、定格周波数の時の回転磁界はもっと速いです。

<回転磁界GIF>

静止している状態から回転磁界にこんな高速で回転されたら、回転子はついていけますでしょうか?

….当然ですがついていけません。回転子には慣性があるのです。いきなり瞬時に0回転⇒1800回転にはなれないのです。

これが「同期電動機には始動トルクがない」と言われる所以であり、始動に工夫が必要な理由なのです。

では始動法の紹介をしていきます。

同期電動機の始動法

自己始動法

自己始動法というのは、同期電動機の回転子に制動巻線を設けて、「かご型誘導電動機」同様の方法で回転させる方法です。

誘導電動機の回転メカニズムは以下の通りです。

  1. 固定子に三相交流を印加し、回転磁界が発生。
  2. 回転磁界が、回転子を横切る。(導体を貫く磁束の量の変化)
  3. 回転子に誘導起電力が発生し、電流が生じる。
  4. 回転子に生じた電流と磁界により、回転トルクが発生。

これと同じ働きをさせるために同期電動機の回転子表面に「制動巻線」を設けます。<画像1>参照↓

<画像1>

ここで感の鋭い方は、「あれ?突入電流は大丈夫?」かと思われるかもしれません。

その感は正しく、誘導電動機の始動法と同様に

  • 全電圧始動法
  • リアクトル始動法
  • 始動補償器始動法

等の始動法があります。

上記の三つに関してはこちら↓で紹介しています。

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またこの方式は「小容量の同期電動機」に限って採用されます。

始動電動機法

始動電動機法というのは、同期電動機と機械的に直結させた始動用電動機を用いて、同期電動機を同期速度近くまで加速させます。同期電動機が同期速度付近まで加速したのちに、同期電動機の回転子を励磁して運転します。

この際、始動用電動機には、「誘導電動機」や「直流電動機」が用いられます。今回は誘導電動機での始動法を紹介します。

始動電動機法の大まかなイメージは<画像2>参照↓

<画像2>

誘導電動機を用いる場合、始動させる同期電動機より極数$p$の少ない誘導電動機を用います。同期速度$N_{s}$は極数$p$に反比例しますので、誘導電動機の同期速度のほうが速い。ということです。何故そのようなものを用いるのかは、次を見ていただければわかるかと思います。

始動用電動機として誘導電動機を用いた場合の、具体的な始動方法は以下の通りです。

  1. 同期電動機と機械的に直結させた誘導電動機を回転させる。
  2. 誘導電動機が加速し、同期電動機の同期速度以上に加速したところで、誘導電動機への電圧の印加を中止する。
  3. 誘導電動機が減速したところで、同期電動機の回転子の励磁を入れ、同期する。

誘導電動機の極数を、同期電動機の極数より少なくしたことで、$$誘導電動機の回転速度>同期電動機の同期速度$$となります。

②の時点では、同期電動機の同期速度より早い状態であり、➂の時、減速したところで回転子を励磁し同期する。といったイメージでしょうか。

※補足・・・始動用電動機に「巻線型誘導電動機」を用いた場合には、二次抵抗を調整することで、同期電動機の回転速度にあった回転速度にすることが出来ます。

同期始動法

この方式には、同期電動機を始動させるために「同期発電機」を用います。

え…?と思いますよね(´;ω;`)

大丈夫です(多分)。順を追って見ていきますが「同期発電機とは何か」をご存じない方はまずこちら↓を見ていただいたほうがいいかと思います。

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そして、同期始動法のイメージは<画像3>参照↓

<画像3>

では順に見ていきましょう。

  1. 同期電動機と同期発電機を電気的に接続する。
  2. 同期発電機の回転子を0から徐々に加速させる。(発電する電圧の周波数も0から徐々に上がっていく)
  3. 同期電動機同期発電機は電気的につながっているので、回転磁界の回転速度が徐々に上昇。それと同時に回転子も加速していく。
  4. 同期電動機の回転速度が同期速度付近となったら、同期電動機に主電源(定格周波数)を印加し、定格運転へ移行。

といった感じです。

私なりに要約すると、「同期電動機へ印加する電源の周波数を低→高とするために、同期発電機を用いる」となります。

ちょっと複雑ですね。

低周波始動法

低周波始動法というのは「同期始動法」+「自己始動法」の合わせ技になります。

低周波始動法の流れは以下のようになります。

  1. 同期電動機を可変周波数電源に接続する
  2. 可変周波数電源の周波数を、定格周波数の25~30%に調整し、同期電動機を自己始動する。
  3. 可変周波数電源の周波数を定格周波数まで上昇させる。
  4. 同期電動機を主電源に切り替え、定格運転へ。

同期始動法と低周波始動法の違いは何かというと、「周波数が0の時から同期させるのかそうではないか」ということです。

  • 周波数が0の段階から同期させ始動⇒同期始動法
  • 周波数が、定格周波数の25~30%の時に同期化して始動⇒低周波始動法

といった感じです。特にイメージ画像は必要ないと思うので設けません!

サイリスタ始動法

サイリスタ始動法というのは、同期電動機に印加する電源の周波数をサイリスタ逆変換装置で調節しながら始動する方式になります。

すこし正確に書くと、「同期電動機の磁極の位置に応じて、サイリスタへのゲート信号を制御する」となりますが難しいですね。まぁ、「回転子の位置検出で速度を把握して、それにあった回転磁界を発生させるよう周波数調整する」と私は解釈しています

サイリスタ始動法のイメージは<画像4>参照↓

<画像4>

オススメの本

モータ技術のすべてがわかる本

こちらの本は本章で取り扱った同期モータのみならず、誘導モータ・直流モータに関しても非常に分かりやすく詳細に書いてあります。また、この本の最大の特徴ともいえるのが、フルカラーという点です。フルカラーイラストをふんだんに用いていますので、機械科目において重要な「脳内でのイメージ材料」を鮮明に手に入れることが出来るでしょう。

表紙にも記載のある通り、まさに、「モータのことはこれ1冊でOK」な本となっています。

 

終わりに

今回は、

  • なぜ同期電動機にはさまざまな始動法が存在するのか。
  • さまざまな始動法

の二点を書きました。この辺りも電験機械科目では重要な箇所になってきますので、よく学習しておくといいかと思います。

それでは、ここまで読んで頂きありがとうございました。

お疲れさまでした(*_ _)

 

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