同期発電機の無負荷飽和曲線と三相短絡曲線・%Zと短絡比

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今回は「同期発電機の短絡比」について書いてきたいと思います。

同期発電機の”定義”から始まり、各用語の確認・グラフの見方まで順を追って見ていきましょう!

それではLet’s go!!!

短絡比の定義

まずは定義の確認をしましょう。何事も定義の確認は大事です。

短絡比$K$は以下の式で定義されます。

短絡比の式
$$短絡比K=\frac{無負荷飽和曲線(開放時)で定格電圧が発生するときの励磁電流I_{f1}}{短絡曲線(短絡時)で定格電流が流れる時の励磁電流I_{f2}}$$

始めて学ぶ方は「分からん(´;ω;`)ウッ…」となるかと思いますがOKです。一つ一つ見ていきましょう!

無負荷飽和曲線とは

まず、同期発電機の「一相分等価回路」を見てみましょう。

<画像1>

<画像1>では負荷側は書いていませんが、負荷に接続されているものだと考えてください。

これを、負荷を取り外し無負荷とします。すると<画像2>のようになります。

<画像2>

<画像2>のように無負荷時には閉ループが構成されておらず、負荷電流$\dot{I}$は流れませんので、$$誘導起電力\dot{E}=無負荷端子電圧\frac{\dot{V}_{o}}{\sqrt{3}}$$となります。

この無負荷の状態の時に、無負荷端子電圧$\frac{\dot{V}_{o}}{\sqrt{3}}$が定格端子電圧$\frac{\dot{V}_{n}}{\sqrt{3}}$となるようにすればよいのです。

前述しましたが、$誘導起電力\dot{E}=無負荷端子電圧\frac{\dot{V}_{o}}{\sqrt{3}}$となるので、誘導起電力を調整する→回転子の界磁電流を調整すれば良い。ということになります。

ここで、横軸に界磁電流、縦軸に端子電圧をとったグラフを見てみましょう。

<画像3>

赤色の曲線が「無負荷飽和曲線」になります。これは「定格速度で無負荷運転中の同期発電機の界磁電流と端子電圧の関係」を表したものになります。

曲線をよく見てもらうと、界磁電流が大きくなるにつれて、端子電圧の変化率(傾き)が小さくなっていっています。これは回転子鉄心が”飽和”することによって起こります。

磁気飽和のイメージは<画像4><画像5>のようになります。これらは、電磁石を表現しています。電磁石に用いられる”磁性体”中には、小さな(ミクロな)磁石がたくさん存在しているとイメージしてください。これらの向きがそろったときに全体を俯瞰して見ると「N極・S極」の一つの磁石となります。

<画像4>

<画像4>中の”状態1”では、ミクロな磁石がそれぞれ明後日の方向を向いています。これは”磁性体”全体としては、磁化されていない状態(中性な状態)です。次に、磁性体に巻き付けた界磁巻線に電流を流すと、「右ねじの法則」に従って磁界が生じ、ミクロな磁石が向きを揃え始めます。これが”状態2”です。

 

<画像5>

<画像5>を見てください。”状態2”→”状態3”では電流が増加し「右ねじの法則」により発生する磁界は強くなりますが、「ミクロな磁石」はこれ以上揃いようがありません。

したがって、回転子の界磁電流を増やしても、磁性体が発する磁束は増加しにくくなっていくのです。これが「磁気飽和」となります。

<画像3>中の無負荷飽和曲線にて、界磁電流が大きくなるにつれて端子電圧の上昇率が減少していくのは、この「磁気飽和」が原因であるということです。

短絡曲線

短絡曲線は、定格速度運転にて、負荷側を短絡したときの界磁電流$I_{f2}$と短絡電流$I_{s}$の関係になります。一相分等価回路は<画像6>のようになります。

<画像6>

短絡曲線は<画像7>のようになります。

<画像7>

<画像3>の無負荷飽和曲線では、界磁電流が増加するにしたがって端子電圧の増加率が減少していく「飽和」が起こるのでした。しかし、<画像7>中の短絡曲線は界磁電流が増加しても、界磁電流に比例して端子電圧も増加しています。飽和していないのです。

これは短絡した際に流れる電流が「力率0の遅れ電流」であり、回転子が発する主磁束に対して”減磁作用”が働くことに起因します。この減磁作用に関しては「同期発電機の電機子反作用」を理解していないといけないので、ここでは「へぇ~」くらいに思っていただければOKです!またこれ以降の記事で解説したいと思います。

ここでは界磁電流と短絡電流が比例関係にあることだけ理解してください。

短絡比

では、「短絡比」の説明に入っていきます。冒頭に示した、短絡比の式をもう一度見て見ましょう。

短絡比の式
$$短絡比K=\frac{無負荷飽和曲線(開放時)で定格電圧が発生するときの励磁電流I_{f1}}{短絡曲線(短絡時)で定格電流が流れる時の励磁電流I_{f2}}$$
短絡比の問題を解くためには、<画像3>と<画像7>を一つにした<画像8>のグラフをかけなければなりません。
<画像8>

<画像8>中に新たに$I_{so}$が登場しました。これは、「無負荷時の端子に、定格電圧が生じるような界磁電流を流した時に短絡すると生ずる短絡電流」となります。

このグラフと短絡比の式より、短絡比を求めると、

$$短絡比=\frac{I_{f1}}{I_{f2}}=\frac{I_{so}}{I_{n}}$$

となります。

同期インピーダンス

同期インピーダンス$\dot{Z}$は、<画像9>中の「同期リアクタンス$jX_{s}$と抵抗$R_{a}$のベクトル和」の事を言います。

<画像9>

同期インピーダンス$\dot{Z}$は、

$$\dot{Z}=\frac{\dot{V_{n}}}{\sqrt{3}・\dot{I_{so}}}(※V_{n}は線間電圧)・・・①$$

で求められます。

ここで、「百分率同期インピーダンス」というものを求めてみましょう。「百分率同期インピーダンス」というのは、「端子電圧に対する、電圧降下の割合」の事を言います。<画像10>を用いて「百分率同期インピーダンス」の式を書いてみると、

<画像10>
$$\begin{align}百分率同期インピーダンス\%Z&=\frac{電圧降下}{端子電圧}\\&=\frac{I_{n}・Z}{\frac{V_{n}}{\sqrt{3}}}\\&=\frac{\sqrt{3}I_{n}Z}{V_{n}}・・・②\end{align}$$

ここで②式の$Z$に①式を代入してみましょう!すると、

$$\begin{align}\%Z=\frac{\sqrt{3}I_{n}Z}{V_{n}}&=\frac{\sqrt{3}I_{n}}{V_{n}}\frac{V_{n}}{\sqrt{3}I_{so}}\\&=\frac{I_{n}}{I_{so}}\end{align}$$

となりました。感の良い方はお気づきかもしれませんが、「短絡比の逆数」になっています。

この関係、重要です。

重要$$同期インピーダンス\%Z=\frac{1}{短絡比K}$$

終わりに

同期発電機の無負荷飽和曲線と三相短絡曲線。短絡比の式。同期インピーダンスと短絡比の関係。これらは電験によく出題されます。

しっかりと理解して、得点源と出来るように学習していきましょう。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

では、お疲れさまでした(*_ _)

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