同期機『計算』問題まとめ

目次

H21年度(2009年)問5  同期発電機の短絡比を求める計算問題

定格出力5000[kV・A]、定格電圧6600[V]の三相同期発電機がある。無負荷時に定格電圧となる励磁電流に対する三相短絡電流(持続短絡電流)は、500[A]であった。この同期発電機の短絡比の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)0.660 (2)0.875 (3)1.00 (4)1.14 (5)1.52

解答を見る
(4)

前提知識

①三相定格皮相電力を求める式。

$$S_{n}=\sqrt{3}V_{n}I_{n}[V・A]$$
ただし、$V_{n}[V]$は定格電圧(線間)、$I_{n}[A]$は定格電流。

②短絡比$K$を求める式。

$$K=\frac{I_{s}}{I_{n}}$$
ただし、$I_{s}$は短絡電流、$I_{n}$は定格電流。

解説

題意より、短絡電流$I_{s}[A]$は、

$$I_{s}=500[A]$$

と与えられているので、『前提知識①』より定格電流を求め、『前提知識②』より短絡比を求めましょう。

$$皮相電力S_{n}=\sqrt{3}V_{n}I_{n}[V・A]$$より、

$$\begin{align}I_{n}&=\frac{S_{n}}{\sqrt{3}V_{n}}\\&=\frac{5000×10^{3}}{\sqrt{3}×6600}\\&=437.37[A]\end{align}$$

したがって短絡電流Kは、

$$\begin{align}K&=\frac{500}{437.37}\\&=1.1431\\&≒1.14\end{align}$$

よって答えは(4)となります。

H22年度(2010年)問15 同期発電機に関する計算問題

1相当たりの同期リアクタンスが$1[Ω]$の三相同期発電機が無負荷電圧$346[V]$(相電圧$200[V]$)を発生している。そこに抵抗器負荷を接続すると電圧が$300[V]$(相電圧$173[V]$)に低下した。次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし、三相同期発電機の回転速度は一定で、損失は無視できるものとする。

(1)電機子電流$[A]$の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1)27 (2)70 (3)100 (4)150 (5)173

(2)出力$[kW]$の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1)24 (2)30 (3)52 (4)60 (5)156

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(a)・・・(3)
(b)・・・(3)

前提知識

①同期発電機の1相分等価回路。

画像1

②同期発電機のベクトル図(<画像1>の回路を用いる)。

<画像2>

ベクトル図の書き方を丁寧に解説した記事がありますので、不安な方は是非ご覧ください。

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解説

(a)

題意中の『無負荷電圧』というのは<画像3>のような電圧を表します。

画像3

無負荷ということは、端子が開放されている状態ですので電機子電流が流れません。したがって、電圧降下も生じませんので端子電圧$V$と誘導起電力$E$は等しくなります。よって、この同期発電機の誘導起電力(相電圧)の大きさ$|\dot{E}|$は、

$$|\dot{E}|=200[V](相電圧)$$

となります。

次に抵抗器負荷を接続した状態を考えます。回転速度一定の条件が問題文中に与えられていますので、先ほど求めた誘導起電力の大きさは変わりません。したがって、1相分等価回路で抵抗器負荷を接続した状態を表現すると<画像4>のようになります。

画像4

では、この1相分等価回路から式を立ててみましょう。

$$\dot{E}=\dot{V’}+jX_{s}\dot{I}・・・①$$

次に①より、ベクトル図を描くと<画像5>のようになります。

画像5
※補足
抵抗器負荷の抵抗を$R$とすると、$\dot{V’}=R\dot{I}$となるので、$\dot{V’}$と$\dot{I}$は同相になります。また、『同期機のベクトル図の書き方』に関して1から丁寧に解説した記事のリンクを貼りますので、是非ご覧ください。
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このベクトル図にて、三平方の定理を用いると、

$$E^{2}=V’^{2}+(X_{s}I)^{2}$$となり、$I$を求める形に変形し、数値を代入すると、

$$\begin{align}I&=\frac{\sqrt{E^{2}-V’^{2}}}{X_{s}}\\&=\frac{\sqrt{200^{2}-173^{2}}}{1}\\&≒100[A]\end{align}$$

よって(a)の答えは(3)となります。

(b)

三相同期電動機の出力$P[W]$は次の式によって求めることができます。

$$P=\frac{3V’E}{X_{s}}sinδ[W](V’,Eは相電圧)$$

※補足
$$P=\frac{3V’E}{X_{s}}sinδ[W]$$の導出も『同期発電機のベクトル図の書き方』の中で解説しています。
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<画像5>のベクトル図より、$sinδ$は、

$$sinδ=\frac{X_{s}I}{E}$$であるので、出力は、

$$\begin{align}P&=\frac{3V’E}{X_{s}}×\frac{X_{s}I}{E}\\&=\frac{3×200×173}{1}×\frac{1×100}{200}\\&=51900[W]≒52[kW]\end{align}$$

よって(b)の答えは(3)となります。

H23年度(2011年)問4 同期発電機の出力端子間電圧を求める計算問題

次の文章は、同期発電機に関する記述である。
Y結線の非突極形三相同期発電機があり、各相の同期リアクタンスが$3[Ω]$、無負荷時の出力端子と中性点間の電圧が$424.2[V]$である。この発電機に1相当たり$R+jX_{L}[Ω]$の三相平衡Y結線の負荷を接続したところ各相に$50[A]$の電流が流れた。接続した負荷は誘導性でそのリアクタンス分は$3[Ω]$である。ただし、励磁の強さは一定で変化しないものとし、電機子巻線抵抗は無視するものとする。
このときの発電機の出力端子間電圧$[V]$の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)300 (2)335 (3)475 (4)581 (5)735

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(4)

前提知識

①同期発電機の1相分等価回路。

画像1

解説

まずは問題文より、1相分等価回路を書いてみましょう。線間電圧と相電圧を注意して書いていきましょう。

画像1

次に、誘導起電力の大きさ$|\dot{E}|$と電機子電流の大きさ$|\dot{I}|$が分かっているので、回路の合成インピーダンスの大きさ$|\dot{Z}|$を求めることができます。

$$\begin{align}Z&=\frac{E}{I}\\&=\frac{424.2}{50}\\&=8.484[Ω]\end{align}$$

回路の合成インピーダンスの大きさが分かったので負荷の抵抗分を求めることができます。

$$Z=\sqrt{R^{2}+(X_{L}+X_{s})^{2}}$$より、$R$を求める式に変形すると、

$$\begin{align}R&=\sqrt{Z^{2}-(X_{L}+X_{s})^{2}}\\&=\sqrt{8.484^{2}-(3.000+3.000)^{2}}\\&=5.998\\&≒6[Ω]\end{align}$$

負荷インピーダンス$\dot{Z}_{L}=6+j3[Ω]$と、電機子電流$|\dot{I}|=50[A]$であるので端子電圧(相電圧)$V$は、

$$V=50×\sqrt{6^{2}+3^{2}}=335.4[V]$$

となります。

よくあるミスが、ここで終了して(2)を選んでしまうことです。何がおかしいのか分かりますでしょうか?

問題文では『出力端子間電圧』を求める、すなわち、線間電圧を求める必要があります。では、最後に線間電圧に変換して終わりとしましょう。

$$V_{l}=\sqrt{3}×335.4=580.9≒581[V]$$

よって答えは(4)となります。

H24年度(2012年)問16  三相同期電動機の内部誘導起電力と負荷角を求める計算問題

三相同期電動機が定格電圧$3.3[kV]$で運転している。
ただし、三相同期電動機は星形結線で1相当たりの同期リアクタンスは$10[Ω]$であり、電機子抵抗、損失及び磁気飽和は無視できるものとする。
次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)負荷電流(電機子電流)$110[A]$、力率$cosφ=1$で運転しているときの1相あたりの内部誘導起電力[V]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)1100 (2)1600 (3)1900 (4)2200 (5)3300


(b)上記(a)の場合と電圧及び出力は同一で、界磁電流を$1.5$倍に増加したときの負荷角(電動機端子電圧と内部誘導起電力との位相差)を$δ^{´}$とするとき、$sinδ^{´}$の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.250 (2)0.333 (3)0.500 (4)0.707 (5)0.866

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(a)・・・(4)
(b)・・・(2)

前提知識

①同期電動機の1相分等価回路

画像1

②同期電動機のベクトル図

<画像1>を基にベクトル図を描くと<画像2>のようになります。

画像2

ベクトル図の書き方を丁寧に解説した記事がありますので、不安な方は是非ご覧ください。

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③同期電動機の出力を求める式。

$$P=\frac{3EV}{X_{s}}sinδ[W]$$
ただし、$E[V]$は誘導起電力(相)、$V[V]$は端子電圧(相)。この式の導出は下の記事で紹介しています。是非ご覧下さい。
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解説

(a)

問題文から1相分等価回路<画像3>を書きましょう。電圧が線間なのか相なのか確認しながら書いていきます。

画像3

等価回路から立式すると次のようになります。

$$\dot{V}=\dot{E}+jX_{s}\dot{I}$$

問題文より、『力率が1』なので、端子電圧$V$と電流$I$が同相となります。したがって、端子電圧$\dot{V}$を基準にベクトル図を書くと次のようになります。<画像4>

画像4

<画像4>のベクトル図より、三平方の定理を用いると、

$$E=\sqrt{V^{2}+(X_{s}I)^{2}}$$

となります。ここに各数値を代入すると、

$$\begin{align}E&=\sqrt{(\frac{3300}{\sqrt{3}})^{2}+(10×110)^{2}}\\&≒2200[V]\end{align}$$

よって(a)の答えは(4)となります。

※補足
当問題は同期電動機であるにも関わらず『誘導起電力>端子電圧』という、初見では「?」と疑問に思ってしまうような解答が得られます。しかし、問題文から論理的に式を組み立てベクトル図を書いて得られた結果を信じてください。直感に反するものを受け入れる力も身につけましょう。また、『ベクトル図の書き方』を一から丁寧に解説した記事もありますので、ベクトル図に不安のある方は是非ご覧ください。
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(b))

『前提知識③』より、同期電動機の出力$P[W]$の値は、

$$P=\frac{3VE}{X_{s}}sinδ[W](V,Eは相電圧)$$で表されます。

まず、(a)の状態での出力を求めましょう。

$$\begin{align}P&=\frac{3×\frac{3300}{\sqrt{3}}×2200}{10}×\frac{10×110}{2200}\\&=628.7[kW]・・・①\end{align}$$

題意より、界磁電流が元の1.5倍なので、界磁電流変化後の誘導起電力$E’$も1.5倍となります。

したがって界磁電流変化後の出力$P’$は、

$$\begin{align}P’&=\frac{3×\frac{3300}{\sqrt{3}}×2200×1.5}{10}×sinδ’\\&=1886sinδ[kW]’\end{align}・・・②$$

題意より、出力は界磁電流変化前後で等しいので、①=②より、

$$1886sinδ’=628.7$$

$$\begin{align}sinδ’&=0.3333\\&≒0.333\end{align}$$

よって答えは(2)となります。

H25年度(2013年)問6  三相同期発電機の同期インピーダンスを求める計算問題

定格電圧$6.6[kV]$、定格電流$1050[A]$の三相同期発電機がある。この発電機の短絡比は$1.25$である。
この発電機の同期インピーダンス[Ω]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.80 (2)2.90 (3)4.54 (4)5.03 (5)7.86

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(2)

前提知識

①無負荷飽和曲線と三相短絡曲線

画像1

無負荷飽和曲線と三相短絡曲線』についての詳細な記事を以下に貼りますので是非ご覧ください。

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②短絡比の式。

$$短絡比=\frac{無負荷飽和曲線(開放時)で定格電圧が発生するときの励磁電流}{短絡曲線(短絡時)で定格電流が流れる時の励磁電流}$$
すなわち<画像1>において、
$$\begin{align}K&=\frac{I_{f1}}{I_{f2}}\\&=\frac{I_{s}}{I_{n}}\end{align}$$

解説

問題文より、短絡比$K=1.25$、定格電流$I_{n}=1050[A]$であるので、短絡電流$I_{s}$は、

$$\begin{align}I_{s}&=1.25×1050\\&=1312.5[A]\end{align}$$となります。ここから『前提知識①』の「無負荷飽和曲線と三相短絡曲線」グラフと1相分等価回路を合わせて、もう一度見てみましょう。

画像1 再掲
画像2

無負荷飽和曲線というのは、『定格速度で無負荷運転中の同期発電機の界磁電流と端子電圧の関係』ということで、<画像2>のように、端子側が開放状態にあると考えてください。開放状態ということは、電流は流れませんので電圧降下も生じません。したがって端子電圧と誘導起電力が等しくなります。

すなわち、グラフ<画像1>にて縦軸上の$V_{n}$と、それに対応する界磁電流$I_{f1}$というのは、『界磁電流$I_{f1}$で誘導起電力$E$が$V_{n}$』であるということになります。

この界磁電流が$I_{f1}$のときに端子を短絡したときの電流が、短絡電流$I_{s}$となります。その状態が<画像3>となります。

画像3

題意より、1相分の定格電圧$V_{n}=\frac{6600}{\sqrt{3}}[V]$、先ほど求めた短絡電流$I_{s}=1312.5[A]$なので、<画像3>の下の回路図より、

$$Z≒X_{s}=\frac{\frac{6600}{\sqrt{3}}}{1312.5}=2.90[Ω]$$

よって答えは(2)となります。

H26年度(2014年)問15  三相同期電動機のトルクと誘導起電力を求める計算問題

周波数が60Hzの電源で駆動されている4極の三相同期電動機(星形結線)があり、端子の相電圧V[V]は$\frac{400}{\sqrt{3}}V$、電機子電流$I_{M}[A]$は200A、力率1で運転している。1相の同期リアクタンス$x_{s}[Ω]$は1.00Ωであり、電機子の巻線抵抗、及び機械損などの損失は無視できるものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)上記の同期電動機のトルクの値[N・m]として最も近いものを、次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)12.3 (2)368(3)735(4)1270 (5)1470

(b)上記の同期電動機の端子電圧及び出力を一定にしたまま界磁電流を増やしたところ、電機子電流が$I_{M1}[A]$に変化し、力率$cosθ$が$\frac{\sqrt{3}}{2}(θ=30°)$の進み負荷となった。出力が一定なので入力電力は変わらない。図はこのときの状態を説明するための1相の概略のベクトル図である。このときの1相の誘導起電力E[V]として、最も近いEの値を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)374 (2)387 (3)400(4)446 (5)475

解答を見る
(a)・・・(3)
(b)・・・(3)

前提知識

①電動機出力$P[W]$を求める式。

$$P=\frac{3VE}{x_{s}}sinδ[W]$$
ただし、$V[V]$は電動機端子電圧(相)、$E[V]$は電動機誘導起電力(相)。

②回転子回転角速度$ω[rad/s]$を求める式。

$$\begin{align}ω&=\frac{2πN}{60}\\&=\frac{2π}{60}×\frac{120f}{p}[rad/s]\end{align}$$

③電動機のトルク$T[N・m]$を求める式。

$$T=\frac{P}{ω}[N・m]$$

解説

(a)

まず電動機出力$P[W]$を求めるために、電動機の誘導起電力$E[V]$を求めましょう。題意からベクトル図を書いてみると<画像1>のようになります。

画像1

このベクトル図から立式すると、$$\dot{V}=\dot{E}+jx_{s}\dot{I}_{M}$$

となります。力率1で運転しているので、端子電圧$V$と電機子電流$I_{M}$が同相になります。ということで、端子電圧$\dot{V}$を基準としてベクトル図を描くと<画像2>のようになります。

画像2
ベクトル図の書き方』及び『電動機出力の公式の導出』は下の記事で詳細に説明していますので、ベクトル図に不安のある方は是非ご覧ください。
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<画像2>のベクトル図より、

$$\begin{align}E&=\sqrt{V^{2}+(x_{s}I_{M})^{2}}\\&=\sqrt{(\frac{400}{\sqrt{3}})^{2}+(1.00×200)^{2}}\\&=305.5[V]\end{align}$$

『前提知識①』より、電動機出力$P[W]$を求めると、

$$\begin{align}P&=\frac{3×\frac{400}{\sqrt{3}}×305.5}{1.00}×\frac{1.00×200}{305.5}\\&=138560[W]・・・①\end{align}$$

『前提知識②』より、回転角速度$ω[rad/s]$を求めると、

$$\begin{align}ω&=\frac{2π}{60}×\frac{120×60}{4}\\&=188.5[rad/s]・・・②\end{align}$$

①式、②式を『前提知識③』に代入すると、トルク$T[N・m]$は、

$$\begin{align}T&=\frac{138560}{188.5}\\&≒735[W]\end{align}$$

よって(a)の答えは(3)となります。

(b)

ここで問題のベクトル図を再掲します。

ベクトル図 再掲

当問題はベクトル図中の$\dot{E}$の大きさを求めよ。という問題になります。まずは$\dot{I}_{M1}$の大きさを求めてあげましょう。

$$cos30°=\frac{\sqrt{3}}{2}$$より、

$$\frac{I_{M}}{I_{M1}}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$

$$\begin{align}I_{M1}&=\frac{200}{\frac{\sqrt{3}}{2}}\\&=230.9[A]\end{align}$$

ここで、ベクトル図に補助を加えると<画像3>のようになります。

画像3

三平方の定理を用いると、次のような立式が出来ます。

$$E=\sqrt{(V+x_{s}I_{M1}sin30°)^{2}+(x_{s}I_{M1}cos30°)^{2}}$$

この式に数値を代入すると、

$$\begin{align}E&=\sqrt{(\frac{400}{\sqrt{3}}+1.00×230.9×\frac{1}{2})^{2}+(1.00×230.9×\frac{\sqrt{3}}{2})^{2}}\\&≒400[V]\end{align}$$

よって(b)の答えは(3)となります。

H27年度(2015年)問4 三相同期発電機の端子電圧に関する計算問題

定格電圧、定格電流、力率1.0で運転中の三相同期発電機がある。百分率同期インピーダンスは85%である。励磁電流を変えないで無負荷にしたとき、この発電機の端子電圧は定格電圧の何倍になるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、電機子巻線抵抗と磁気飽和は無視できるものとする。

(1)1.0 (2)1.1 (3)1.2 (4)1.3 (5)1.4

解答を見る
(4)

前提知識

①短絡比$K$と百分率同期インピーダンス$\%Z[\%]$の関係式。

$$K=\frac{100}{\%Z[\%]}$$

解説

この問題は、『単位法』を用いた問題になります。

まずは問題文より、『定格電圧、定格電流、力率1.0で運転中の三相同期発電機』の1相分等価回路を書いてみましょう。発電機端子電圧(相電圧)を$V_{n}[V]$、発電機誘導起電力(相電圧)を$E[V]$、定格電流を$I_{n}[A]$、同期インピーダンス(題意より、抵抗を考慮しないので同期リアクタンスと等しい)を$x_{s}[Ω]$とすると、<画像1>のようになります。

画像1

問題文中にて『励磁電流を変えない』とあるので、端子開放前後でこの発電機の誘導起電力$E$は変化しません。したがって、求めたい「無負荷時(開放時)の端子電圧」は、開放前の誘導起電力$E$と等しくなります。

<画像1>の1相分等価回路より立式すると、

$$\dot{E}=\dot{V}_{n}+jx_{s}\dot{I}_{n}$$

となります。題意より力率が1であり、端子電圧と電機子電流が同相となるので、$\dot{V_{n}}$を基準とすると、ベクトル図は<画像2>のようになります。

画像2

<画像2>のベクトル図より、三平方の定理を用いると、

$$E=\sqrt{V_{n}^{2}+(x_{s}I_{n})^{2}}$$

となります。定格電圧、定格電流を$1[p.u.]$とし、同期インピーダンスが$0.85[p.u.]$であるので、これらの数値を代入すると、

$$\begin{align}E&=\sqrt{1^{2}+0.85^{2}}\\&≒1.3[p.u]\end{align}$$

定格電圧を$1[p.u.]$としたので、$$\begin{align}\frac{無負荷時の端子電圧}{定格電圧}&=\frac{1.3}{1}\\&=1.3\end{align}$$

よって答えは(4)となります。

H28年度(2016年)問15 非突極形三相同期発電機に関する計算問題

定格出力3300kV・A、定格電圧6600V、定格力率0.9(遅れ)の非突極形三相同期発電機があり、星形接続1相当たりの同期リアクタンスは12.0Ωである。電機子の巻線抵抗及び磁気回路の飽和は無視できるものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)定格運転時における1相当たりの内部誘導起電力の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)3460(2)3810(3)6170(4)7090(5)8690


(b)上記の発電機の励磁を定格状態に保ったまま運転し、星形結線1相当たりのインピーダンスが13+j5Ωの平衡三相誘導性負荷を接続した。このときの発電機端子電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)3810(2)4010(3)5990(4)6600(5)6950

解答を見る
(a)・・・(3)
(b)・・・(5)

前提知識

①同期発電機の1相分等価回路。

画像1

②同期発電機のベクトル図(<画像1>の回路を用いる)。

画像2

ベクトル図の書き方を丁寧に解説した記事がありますので、不安な方は是非ご覧ください。

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解答

(a)

問題文より、『電機子の巻線抵抗は無視できる』とあるので、同期発電機の1相分等価回路を書くと<画像3>のようになります。

画像3

<画像3>の1相分等価回路より立式すると、

$$\dot{E}=\dot{V}+jx_{s}\dot{I}$$

となります。$\dot{V}$を基準としてベクトル図を書くと<画像4>のようになります。

画像4

<画像4>のベクトル図より、『三平方の定理』を用いると、

$$E=\sqrt{(V+x_{s}Isinθ)^{2}+(x_{s}Icosθ)^{2}}・・・①$$

となります。ここで、電流$I[A]$を求めると、

$$\begin{align}I&=\frac{S_{n}}{\sqrt{3}V_{n}}\\&=\frac{3300×10^{3}}{\sqrt{3}×6600}\\&=288.7[A]\end{align}$$

となり、①式に数値を代入すると、

$$\begin{align}E&=\sqrt{(\frac{6600}{\sqrt{3}}+12.0×288.7×\sqrt{1-0.9^{2}})^{2}+(12.0×288.7×0.9)^{2}}\\&=6166\\&≒6170[V]\end{align}$$

よって(a)の答えは(3)となります。

(b)

題意より、『上記の発電機の励磁を定格状態に保ったまま運転し』とあるので、(a)で求めた誘導起電力は変化しません。この時の1相分等価回路を<画像5>に示します。

画像5

<画像5>の1相分等価回路より、回路を流れる電流$I$を求めると、

$$\begin{align}I&=\frac{E}{\sqrt{r^{2}+(x_{s}+x)^{2}}}\\&=\frac{6170}{\sqrt{13^{2}+(12+5)^{2}}}\\&=288.3[A]\end{align}$$

負荷インピーダンスの大きさ$z$は、

$$\begin{align}z&=\sqrt{13^{2}+5^{2}}\\&=13.93[Ω]\end{align}$$

よって、端子電圧(相電圧)$V’$は、

$$\begin{align}V’&=13.93×288.3\\&=4016[V]\end{align}$$

最後に端子電圧(線間)に変換すると、

$$\begin{align}V’_{l}&=4016×\sqrt{3}\\&=6955[V]\end{align}$$

よって最も近い(b)の答えは(5)となります。

H29年度(2017年)問5 三相同期発電機の界磁電流に関する計算問題

定格出力10MV・A、定格電圧6.6kV、百分率同期インピーダンス80%の三相同期発電機がある。三相短絡電流700Aを流すのに必要な界磁電流が50Aである場合、この発電機の定格電圧に等しい無負荷端子電圧を発生させるのに必要な界磁電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、百分率同期インピーダンスの抵抗分は無視できるものとする。

(1)50.0(2)62.5(3)78.1(4)86.6(5)135.3

解答を見る
(3)

前提知識

①無負荷飽和曲線と三相短絡曲線

画像1

無負荷飽和曲線と三相短絡曲線』についての詳細な記事を以下に貼りますので是非ご覧ください。

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②短絡比の式。

$$短絡比=\frac{無負荷飽和曲線(開放時)で定格電圧が発生するときの励磁電流}{短絡曲線(短絡時)で定格電流が流れる時の励磁電流}$$
すなわち<画像1>において、
$$\begin{align}K&=\frac{I_{f1}}{I_{f2}}\\&=\frac{I_{s}}{I_{n}}\end{align}$$
③短絡比$K$と百分率同期インピーダンス$\%Z[\%]$の関係式。
$$K=\frac{100}{\%Z[\%]}$$

解説

当問題で求めたいのは、『前提知識②』の分子である、『無負荷飽和曲線(開放時)で定格電圧が発生するときの励磁電流$I_{f1}$』です。これを求めるために、短絡比$K$と、短絡曲線(短絡時)で定格電流が流れる時の励磁電流$I_{f2}$を求めていきましょう。

短絡比$K$は『前提知識③』より、

$$\begin{align}K&=\frac{100}{\%Z[\%]}\\&=\frac{100}{80}\\&=1.25\end{align}$$

次に、短絡曲線(短絡時)で定格電流$I_{n}$が流れる時の励磁電流$I_{f2}$を求めていきます。

定格電流$I_{n}[A]$は、

$$\begin{align}I_{n}&=\frac{S_{n}}{\sqrt{3}V_{n}}\\&=\frac{10×10^{6}}{\sqrt{3}×6600}\\&=874.7[A]\end{align}$$

となります。では、

  1. 三相短絡電流が$I’_{s}=700[A]$の時の界磁電流が、$I_{f3}=50[A]$
  2. 定格電流$I_{n}=874.7[A]$であり、短絡曲線で定格電流が流れる時の界磁電流を$I_{f2}[A]$。

であることを「無負荷飽和曲線と三相短絡曲線」に書き込んでみましょう。

画像2

三相短絡曲線は、名前が「曲線」とついていますが、ほぼ直線なので比例関係を用いて$I_{f2}$を求めることができます。

$$\frac{I_{f2}}{I_{f3}}=\frac{I_{n}}{I’_{s}}$$より、

$$\begin{align}I_{f2}&=\frac{I_{n}}{I’_{s}}×I_{f3}\\&=\frac{874.7}{700}×50\\&≒62.5[A]\end{align}$$

『前提知識②』式より、

$$\begin{align}無負荷飽和曲線(開放時)で定格電圧が発生するときの励磁電流I_{f1}&=短絡曲線(短絡時)で定格電流が流れる時の励磁電流I_{f2}×短絡比K\\&=62.5×1.25\\&≒78.1[A]\end{align}$$

よって答えは(3)となります。

H30年度(2018年)問6 三相同期発電機の負荷角に関する計算問題

定格容量P[kV・A]、定格電圧V[V]の星形結線の三相同期発電機がある。電機子電流が定格電流の40%、負荷力率が遅れ86.6%(cos30°=0.866)、定格電圧でこの発電機を運転している。このときのベクトル図を描いて、負荷角δの値[°]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、この発電機の電機子巻線の1相当たりの同期リアクタンスは単位法で0.915p.u.、1相当たりの抵抗は無視できるものとし、同期リアクタンスは磁気飽和等に影響されず一定であるとする。

(1)0(2)15(3)30(4)45(5)60

解答を見る
(2)

前提知識

①同期発電機の1相分等価回路。

画像1

②同期発電機のベクトル図(<画像1>の回路を用いる)。

<画像2>

ベクトル図の書き方を丁寧に解説した記事がありますので、不安な方は是非ご覧ください。

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解説

題意より1相分等価回路を書いてみると、<画像3>のようになります。

画像3

次に<画像3>の1相分等価回路を基にベクトル図を描いてみると、<画像4>のようになります。

画像4
ベクトル図を書くときには、大きさや角度をなるべく正確に描けると良いと思います。その方が『視覚的に』、答えとなる角度が分かりやすくなります。
ベクトル図が描けたら、<画像5>のように補助線を入れてみましょう。
画像5

定格電圧を$1[p.u.]$、題意より、電流が定格電流($1[p.u.]$)の$40[\%]$なので、$I=0.4[p.u.]$、$cos30°=0.866$、同期リアクタンス$x_{s}=0.915[p.u.]$であるので、各辺の長さは<画像6>中の赤字のようになります。

画像6

<画像6>より、二辺の長さが$0.866$と等しいので、この図形は直角二等辺三角形であり、$$δ+θ=45°$$

$$δ=15°$$

よって答えは(2)となります。

補足

同期機のベクトル図を用いて何かの値を求める時には、<画像7>のように補助線を引いて考えることがほとんどであったかと思います。

画像7

このような方法でも、三平方の定理で斜辺の長さは求まりますが、「sin15°,cos15°,tan15°」の値を把握している人でないと$δ=15°$を導くことができる人は少ないかと思います。

そんな時には、一般的に知られている「30°、45°、60°….」等の角度が作れないかと考えてみましょう。今回は<画像5>のように補助線を引くことで「45°」を求めることができ、$δ$の値を算出することが出来ました。

『頭を柔らかくする』というのは、二日三日で出来る事ではありませんが、様々なパターンを知っておくことで対応できる問題も増えていきます。

R元年度(2019年)問15 三相同期発電機の力率に関する計算問題

並行運転しているA及びBの2台の三相同期発電機がある。それぞれの発電機の負荷分担が同じ7300kWであり、端子電圧が6600Vのとき、三相同期発電機Aの負荷電流$I_{A}$が1000A、三相同期発電機Bの負荷電流$I_{B}$が800Aであった。損失は無視できるものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)三相同期発電機Aの力率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)48 (2)64 (3)67 (4)77 (5)80


(b)2台の発電機の合計の負荷が調整の前後で変わらずに一定に保たれているものとして、この状態から三相同期発電機A及びBの励磁及び駆動機の出力を調整し、三相同期発電機Aの負荷電流は調整前と同じ1000Aとし、力率は100%とした。このときの三相同期発電機Bの力率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、端子電圧は変わらないものとする。

(1)22 (2)50 (3)71 (4)87 (5)100

解答を見る
(a)・・・(2)
(b)・・・(1)

前提知識

①三相同期発電機の出力$P[W]$を求める式。

$$P=\sqrt{3}V_{l}I_{l}cosθ[W]$$
ただし、$V_{l}[V]$は線間電圧、$I_{l}[A]$は線電流。

②力率

力率は<画像1>において、

$$cosθ=\frac{P[W]}{S[V・A]}$$

で求まります。

画像1

解説

(a)

題意より、発電機Aの出力$P_{A}=7300[kW]$、端子電圧(線間)$V_{l}=6600[V]$、A機に流れる電流$I_{A}[A]=1000[A]$であるので、『前提知識①における三相同期発電機の出力の式より、

$$P_{A}=\sqrt{3}V_{l}I_{A}cosθ_{A}[W]$$

$$\begin{align}cosθ_{A}&=\frac{P_{A}}{\sqrt{3}VI_{A}}\\&=\frac{7300×10^{3}}{\sqrt{3}×6600×1000}\\&=0.638\\&≒0.64\end{align}$$

これを百分率に直すと、

$$→64[\%]$$

よって(a)の答えは(2)となります。

(b)

三相同期発電機A及びBの励磁及び駆動機の出力を調整した際のBの力率$cosθ_{B}’$を求める問題です。

まずは下準備として、元の状態の発電機Bの力率$cosθ_{B}$、元の状態の負荷の有効電力$P_{L}$、元の状態の負荷の無効電力$Q_{L}$を求めます。

元の状態の発電機Bの力率$cosθ_{B}$は、

$$P_{B}=\sqrt{3}V_{l}I_{B}cosθ_{B}$$より、

$$\begin{align}cosθ_{B}&=\frac{P_{B}}{\sqrt{3}V_{l}I_{B}}\\&=\frac{7300×10^{3}}{\sqrt{3}×6600×800}\\&=0.798\\&≒0.8\end{align}$$

 

元の状態の負荷の有効電力$P_{L}$は、題意より『2台の発電機の合計の負荷が調整の前後で変わらずに一定に保たれているものとして』とあるので、(a)問題の条件より、

$$\begin{align}P_{L}&=P_{A}(変化前)+P_{B}(変化前)\\&=7300+7300\\&=14600[kW]\end{align}$$

元の負荷の無効電力$Q_{L}$は、

$$\begin{align}Q_{L}&=\frac{P_{A}}{cosθ_{A}}×sinθ_{A}+\frac{P_{B}}{cosθ_{B}}×sinθ_{B}\\&=\frac{7300×10^{3}}{0.64}×\sqrt{1-0.64^{2}}+\frac{7300×10^{3}}{0.8}×\sqrt{1-0.8^{2}}\\&=8764276+5475000\\&=14239276[var]\\&≒14239[kvar]\end{align}$$

 

題意より、負荷の変化がないとあるので、$P_{L}$と$Q_{L}$は変化しないものとなります。

 

三相同期発電機Aの変化後の出力$P_{A}’$は、

$$\begin{align}P_{A}’&=\sqrt{3}VI_{A}’cosθ_{A}’\\&=\sqrt{3}×6600×1000×1\\&≒11432[kW]\end{align}$$

 

元の状態の負荷の有効電力$P_{L}$と、変化後の発電機Aの有効電力$P_{A}’$より、変化後の発電機Bの出力$P_{B}’$は、

$$\begin{align}P_{B}’&=P_{L}-P_{A}’\\&=14600-11432\\&=3168[kW]\end{align}$$

 

無効電力に関しては、元の状態の負荷の無効電力$Q_{L}$が変化しないことと、発電機Aの状態変化後の力率が1であるので、無効電力$Q_{A}’=0$であることを利用すると、

$$Q_{A}’+Q_{B}’=Q_{L}$$

$$Q_{B}’=14239[kvar]$$

 

ここまでで、状態変化後の発電機Bの有効電力$P_{B}’$と、無効電力$Q_{B}’$が求まりました。ここで『前提知識②』の<画像1>を再掲します。

画像1 再掲

これより、変化後の発電機Bの力率$cosθ_{B}’$は、

$$\begin{align}cosθ_{B}’&=\frac{P_{B}’}{\sqrt{P_{B}’^{2}+Q_{B}’^{2}}}\\&=\frac{3168}{\sqrt{3168^{2}+14239^{2}}}\\&=0.217\\&≒0.22\end{align}$$

$$0.22→22[\%]$$

 

よって(b)の答えは(1)となります。

R2年度(2020年)問5 三相同期電動機の誘導起電力に関する計算問題

図はある三相同期電動機の1相分の等価回路である。ただし、電機子巻線抵抗は無視している。相電圧$\dot{V}$の大きさは$V=200V$、同期リアクタンスは$x_{s}=8Ω$である。この電動機を運転して力率が1になるように界磁電流を調整したところ、電機子電流$\dot{I}$の大きさ$I$が$10A$になった。このときの誘導起電力$E$の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)120 (2)140 (3)183 (4)215 (5)280

解答を見る
(4)

前提知識

①同期電動機の1相分等価回路

画像1

②同期電動機のベクトル図

<画像1>を基にベクトル図を描くと<画像2>のようになります。

画像2

ベクトル図の書き方を丁寧に解説した記事がありますので、不安な方は是非ご覧ください。

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解説

問題中の1相分等価回路を再掲します。

再掲

この回路図から立式すると次の式が導かれます。

$$\dot{V}=\dot{E}+jx_{s}\dot{I}$$

題意より『力率が1』とあるので、$\dot{V}$と$\dot{I}$が同相になります。したがって$\dot{V}$を基準にベクトル図を描いてみると<画像2>のようになります。

画像2
今回のベクトル図を描く際には、
・力率が1⇒端子電圧と電機子電流は同相
・同期リアクタンスによる電圧降下$jx_{s}\dot{I}$は、電流に対して90°進んでいる。(電流が90°遅れている)
事を意識して描くと良いかと思います。
では<画像2>のベクトル図より、三平方の定理を用いて誘導起電力$E[V]$を求めましょう。
$$E=\sqrt{V^{2}+(x_{s}I)^{2}}$$
なので、数値を代入すると、
$$\begin{align}E&=\sqrt{200^{2}+(8×10)^{2}}\\&=215.4\\&≒215[V]\end{align}$$
よって答えは(4)となります。

R3年度(2021年)問6 三相同期発電機の百分率インピーダンスに関する計算問題

定格出力3000kV・A、定格電圧6000Vの星形結線三相同期発電機の同期インピーダンスが6.90Ωのとき、百分率同期インピーダンス[%]はいくらか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)19.2 (2)28.8 (3)33.2 (4)57.5 (5)99.6

解答を見る
(4)

前提知識

①三相同期発電機の定格出力$S_{n}[V・A]$を求める式。

$$S_{n}=\sqrt{3}V_{n}I_{n}[V・A]$$
ただし、$V_{n}[V]$は定格電圧(線間)、$I_{n}[A]$は定格電流。

②百分率同期インピーダンス$%Z[\%]$を求める式。

$$\begin{align}\%Z&=\frac{ZI_{n}}{\frac{V_{n}}{\sqrt{3}}}×100\\&=\frac{\sqrt{3}ZI_{n}}{V_{n}}×100[\%]\end{align}・・・②$$

ただし、$Z[Ω]$は1相分インピーダンス、$V_{n}[V]$は定格電圧{線間}、$I_{n}[A]$は定格電流。

1相分等価回路にて定格電流が流れたときの電圧降下の定格電圧に対する割合ということになります。

解説

同期発電機の1相分等価回路を描くと<画像1>のようになります。

画像1

前提知識②』式より、百分率同期インピーダンスを求めるために、『前提知識①』式にて定格電流$I_{n}[A]$を求めましょう。

$$S_{n}=\sqrt{3}V_{n}I_{n}[V・A]$$

より、

$$\begin{align}I_{n}&=\frac{S_{n}}{\sqrt{3}V_{n}}\\&=\frac{3000×10^{3}}{\sqrt{3}×6000}\\&=288.7[A]\end{align}$$

となります。これを『前提知識②』式に数値を代入すると、

$$\begin{align}\%Z&=\frac{\sqrt{3}ZI}{V_{n}}×100\\&=\frac{\sqrt{3}×6.90×288.7}{6000}×100\\&=57.5[\%]\end{align}$$

よって答えは(4)になります。

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