<H21年度(2009年)問5 > 同期発電機の短絡比を求める計算問題(解説あり)

問題

定格出力5000[kV・A]、定格電圧6600[V]の三相同期発電機がある。無負荷時に定格電圧となる励磁電流に対する三相短絡電流(持続短絡電流)は、500[A]であった。この同期発電機の短絡比の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)0.660 (2)0.875 (3)1.00 (4)1.14 (5)1.52

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(4)

前提知識

①三相定格皮相電力を求める式。

$$S_{n}=\sqrt{3}V_{n}I_{n}[V・A]$$
ただし、$V_{n}[V]$は定格電圧(線間)、$I_{n}[A]$は定格電流。

②短絡比$K$を求める式。

$$K=\frac{I_{s}}{I_{n}}$$
ただし、$I_{s}$は短絡電流、$I_{n}$は定格電流。

解説

題意より、短絡電流$I_{s}[A]$は、

$$I_{s}=500[A]$$

と与えられているので、『前提知識①』より定格電流を求め、『前提知識②』より短絡比を求めましょう。

$$皮相電力S_{n}=\sqrt{3}V_{n}I_{n}[V・A]$$より、

$$\begin{align}I_{n}&=\frac{S_{n}}{\sqrt{3}V_{n}}\\&=\frac{5000×10^{3}}{\sqrt{3}×6600}\\&=437.37[A]\end{align}$$

したがって短絡電流Kは、

$$\begin{align}K&=\frac{500}{437.37}\\&=1.1431\\&≒1.14\end{align}$$

よって答えは(4)となります。

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