皆さんこんにちは!NORIです!
電機子反作用とは
電機子反作用とは、
のことです。
電動機と発電機で若干異なりますが、この記事では「発電機」を中心に説明していきます。
幾何学的中性軸と電気的中性軸
電機子反作用の問題に入る前に、「幾何学的中性軸」と「電気的中性軸」の説明をします。
幾何学的中性軸とは、その名の通り図形的な中性軸のことで<画像1>のような軸であり、この軸は動きません。
一方で、電気的中性軸というのは合成磁束に対して直角になる軸で、磁束密度が零となる軸のことを言います。無負荷時の幾何学的中性軸と電気的中性軸は同じになります。
発電機の場合
無負荷時
まず無負荷時の直流発電機をご覧ください。↓<画像2>
回転子が右回りに回転しているとします。各電機子巻線には、「フレミングの右手の法則」に従って、<画像2>に示す方向に起電力が発生します。(※無負荷なので電流は流れてませんが、起電力の方向と考えてください)
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ここで注目していただきたいのが、幾何学的中性軸上(電気的中性軸上)に存在する電機子巻線です。この瞬間、幾何学的中性軸上(電気的中性軸上)に存在する電機子巻線は、界磁磁束の方向と同じ方向に動きますよね。
誘導起電力は、「導体が磁束を横切った時(導体を貫く磁束の量が変化したとき)に起電力が発生する」というものです。つまり、磁束の方向と導体の動く方向が一致しているとき、起電力は発生しません。
上述したことをまとめると、「コイルがブラシにより短絡されるとき、電気的中性軸(起電力0)にいなければならない」ということです。
負荷時
負荷時には、電機子巻線に電機子電流(負荷電流)が流れます。電流が流れるとその周囲には、<画像3>のように、その周囲に磁界が生じます。これは「右ねじの法則」によるものです。
ここで冒頭で記したことを再び記してみましょう。
電機子反作用とは、
のことでした。
<画像3>中の「界磁巻線による磁束」と「電機子巻線による磁束」が合成されると<画像4>のようになります。
矢印の種類が変わったのはこちらの都合で申し訳ありませんが、合成磁束はだいぶ複雑な軌道を描くようにになりました。
ここで注目して頂きたいのが、「電気的中性軸」の位置です。本来無負荷時には「幾何学的中性軸」と同軸上であったのが、右方向(回転子の回転方向と同じ)にずれてしまっています。これは、幾何学的中性軸上の電機子巻線に起電力が発生してしまうことを意味します。
これによって次の不具合を生じます。
- 整流子間に火花を生じる
- 整流に不具合が起こる。
- 主磁束の減少により、起電力が減少する。($E=KΦN$)
イメージ図としては<画像5>のようなイメージかと思われます。
コイル面が垂直な時、本来であれば発電しないはずですが、電気的中性軸の移動により起電力が発生しています。この時整流子はブラシにより短絡しており、整流子片間に火花が生じてしまうイメージが出来るかと思います。
電動機の場合
電動機の場合も発電機とほとんど同じですが、発電機と異なるのは電気的中性軸の傾く方向です。
これは、電動機を<画像3>のように右回りに回転させる場合、電機子電流を逆向きにしなくてはならないからです。電機子電流の向きが逆になれば、「右ねじの法則」によって生じる磁束も<画像3>とは逆になります。
すると合成磁束は<画像4>を左右反転したような形になり、電気的中性軸は左に傾く(電動機の回転方向とは逆)ことになります。
電機子反作用対策
電機子反作用による不具合というのは、全て磁束の歪みが原因となります。したがって、この歪みを解消してあげることが対策となり、その方法は以下の2つです。
- 補極を設ける
- 補償巻線を施す。
です。
ではこの2つを順に見ていきましょう。
補極を設ける
「補極」というのは、固定子の磁極の間に置かれ、磁束の歪みを改善・電気的中性軸の傾きを修正するものです。
補償巻線を設ける
「補償巻線」というのは、電機子巻線に流れる電機子電流による磁束(起磁力)を打ち消すもので、固定子磁極のエアギャップ(空気絶縁部分)に面した部分に設けられます。
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それでも私のような人間にもある程度理解できるよう書いてあるのが本書の素晴らしい点であると感じています。
本自体の重厚感・紙質にもこだわりぬかれた「高級な贅沢品」であると感じました。
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まとめ
- 電機子反作用とは、「界磁巻線による磁束と、電機子電流による磁束の合成によって起こる現象」である。
- 電機子反作用によって①整流子間に火花を生じる②整流に不具合が起こる③主磁束の減少により、起電力が減少する。等の不具合が起こる。
- 電機子反作用の対策として、①補極②補償巻線の2つがある。