【最難関】電験一種合格者が電験一種の難易度を語ります【神?!】

皆さんこんにちは!NORIです。

この度(2023年1月)第一種電気主任技術者試験に合格致しました。そこで今回は”電験一種の難易度”について少し書いていきたいと思います。

電験一種の合格率

まずは、電験一種の直近五年(平成30年~令和4年)の合格率を見ていきましょう。

一次試験の合格率推移

 

一次試験受験者数 一次試験合格者数 合格率(※)
平成30年度 1566 378 24.1%
令和元年度 1566 379 24.2%
令和2年度 1508 759 50.3%
令和3年度 1225 379 30.9%
令和4年度 1436 442 30.8%

(※)計算式・・$\frac{一次試験合格者数}{一次試験受験者数}×100 ,小数点第二位四捨五入$

まず特徴的なのが「受験者数の少なさ」です。電験三種の受験者数がだいたい4,5万人、電験二種の受験者数がだいたい5,6千人です。二種の時点で受験者数がかなり絞られていますが、一種においてもかなり少なくなっています。

電験は通常、「三種⇒二種⇒一種」と一つずつ上がっていくのが一般的かと思いますが、三種も決して簡単な資格ではありません。三種の難しさを経験してもなお、さらに上を目指そうという向上心が必要になります。さらに、世の中の大半の電気工作物は、電験三種でだいたい事足りてしまうのです。しかも、二種からは記述式の難問が出題される二次試験が追加されますし、合格する労力は段違いに上がっていくにも関わらず、それに見合った対価が得られないのではないか。といった「コスパの低さ」も課題として挙げられます。

そうすると、この合格率の分母を考えたときには、

  • 電験一種が業務上必要になる人(大規模発電所等)
  • 電験一種という箔が欲しい人(自己ブランディング)

に大きく分類され、いずれにせよある程度の電気に精通している人が受験することになります(電気入門者が電験一種をいきなり受験することは考えにくいため)。そう考えると、合格率に対する見え方も変わってくるかもしれません。

二次試験の合格率推移

二次試験受験者数 二次試験合格者数 合格率(※)
平成30年度 615 84 13.7%
令和元年度 598 103 17.2%
令和2年度 933 134 14.4%
令和3年度 899 72 8.0%
令和4年度 685 143 20.9%

(※)計算式・・$\frac{二次試験合格者数}{二次試験受験者数}×100 ,小数点第二位四捨五入$

まず、ここでも人数の少なさが見て取れます。二次試験を受験する人は1000人を切っていますし、二次試験の合格率は一次試験の合格率よりも低くなっていることが分かります。

これはなぜかというと、二次試験は一次試験よりも圧倒的に難しいからです。むしろここが本番といっても過言ではありません。中には穴埋めの問題もありますが、ほぼほぼ全て一から回答を作り上げていきます。運の要素がそぎ落とされているのです。

二種も二次試験はありますが、範囲の広さや計算量の多さ、求められる知識の深さはかなりのレベルだと思います。

一次試験を突破した人の中でも、8割は落ちてしまう。これをどうとらえるのかはあなた次第です。

一次・二次を合わせた合格率推移

一次試験受験者数

一次試験免除者
二次試験合格者数 合格率(※)
平成30年度 1865 84 4.5%
令和元年度 1869 103 5.5%
令和2年度 1802 134 7.4%
令和3年度 1851 72 3.9%
令和4年度 1743 143 8.2%

(※)計算式・・$\frac{二次試験合格者数}{一次試験受験者数+一次試験免除者}×100 ,小数点第二位四捨五入$

最後に一次試験二次試験両方を考慮した合格率を見てみます。分母は「一次試験受験者数+一次試験免除者=今年電験一種を受けた人」とすることで前年以前の一次試験免除者も考慮して最終的な合格率を算出してみました。

若干の変動はありますが、それでも10%は切っていることが分かります。受験資格はないにせよ、受験者の性質を考えれば、かなり難しい試験であることも読み取れます。

電験一種は”神”なのかどうか

「電験一種」と検索窓に入力すると、「電験一種 過去問」とか「電験一種 難易度」等出てきますが、そこに面白いものが一つあります。それは、

電験一種 神
です。ここからも電験一種がいかに難しいものとされているのかが分かると思います。
では、電験一種は神なのか、電験一種を取得した私の結論を申し上げると、、、
違います(笑)。私も電験三種を受験し始めたばかりのころ、「三種もこんなに難しいのに、一種取る人なんて神じゃん。」と心底思っていました。”神”というものが”全知全能”を指しているのであれば電験一種は神ではありません。合格した身だからこそ言えますが、電験一種を取得しても分からないことも沢山あります。
ここで、”分かる事”を”円”として捉えた有名な図を見てみましょう。
↑の画像は「分かる事が増える前」を表しています。真っ暗な分からないところと、真っ白な分かるところの境界線(円周)が「認知できる分からないところ」です。つまり、分からないと自覚できるところですね。ここから勉強を積み重ねて、分かるところが増えた場合どうなるでしょうか?
↑の画像のように、分かるところが増えると真っ白な円は大きくなります。すると同時に、分からないところとの境界線(円周)も大きくなっていることが分かります。つまり、分かることが増えたことによって、分からないと自覚できることも増えたのです。電験に関しても例外ではありません。勉強を積み重ねるほど、分からないと自覚できるところは増えていきます。
よくある道を究められた方が、「何もわからん」と自虐的なことをおっしゃられているのをよく見ますが、これがその理由の一つかと思います。
でもそれと同時に、分かることも増えていることも事実です。電験一種を目指す方がこの資格に希望を持ってもらうためにも、分かることが増えたことも言うべきだと私は考えています。
少し話がそれましたが、結局何を言いたいのかというと、電験一種を取っても分からないことは沢山あって、コツコツ勉強を継続していけば取得可能であるということです。”神”というと到達不可能であるかのような印象を与えますが、決してそんなことはないのです。
どんなに高い壁でも階段を作れば登れます

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私の合格体験記を読んで頂ければ、正しい方向に正しい量だけ努力すれば目標は達成可能であるということがお分かりいただけると思いますので是非ご覧ください。

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