【令和3年度】電験一種二次試験 機械・制御<問1>解いてみた

  • 2022年2月20日
  • 2022年2月21日
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注意事項

当サイト管理人NORIは電験一種を所持しておりませんので、本記事は「解いてみたシリーズ」になります。厳密な解答にはなっていない恐れがありますので、あくまでも参考程度にご覧ください。

また問題文に関しては、管理センターにて配布がされていますので、そちらから入手してください。当記事では問題文の記載は致しません。

【令和3年】電験一種二次試験 機械・制御<問1>

問題の内容は「三相突極型同期発電機に関する問題」となっています。

(1)各ベクトルに関する問題

(1)は<画像1>中のベクトル図において、各種ベクトルの名称を当てはめる問題となっています。

<画像1>

まず、

  • 負荷角δは「端子電圧と誘導起電力の位相差」
  • 力率φは「端子電圧と電流の位相差」

であるという二つの条件から、端子電圧$\dot{V}$は(b)一択となり、誘導起電力$\dot{E}$も(d)一択・電機子電流$\dot{I}$も(a)一択となることが分かります。

次に、直軸同期リアクタンス降下と横軸同期リアクタンス降下を決めるわけですが、ここで迷われた方多いのではないでしょうか?

私はまず、$X_{q}$と$X_{d}$はどちらの方が大きいのか?ということを考えました。言い換えるならば、直軸と横軸、そちらのインダクタンスのほうが大きいのか?ということです。

インダクタンス$L$は、$$L=\frac{磁束鎖交数φ}{I}$$であり、鎖交磁束数が大きいほどインダクタンスは大きくなります。

そもそも「突極型同期発電機の回転子」は<画像2>のようなものなのでした。

<画像2>

鉄心中の方が磁束が通りやすいので、鎖交磁束が大きくなりインダクタンスは大きくなる。すなわち直軸インダクタンス$L_{d}>L_{q}$となるのです。

これより、直軸同期リアクタンス$X_{d}>$横軸同期リアクタンス$X_{q}$であることが分かりました。

したがって、直軸同期リアクタンス降下$jX_{d}\dot{I}$は(e)、横軸同期リアクタンス降下$jX_{q}\dot{I}$は(c)となることが分かります。よって解答は、

①・・(b) 、②・・(d)、➂・・(a)、④・・(e)、⑤・・(c)
となりました。

(2)パラメータを求める問題($E_{q},sin(δ+φ),E$)

(1)で求めたものを当てはめると<画像3>のようになります。

<画像3>

また、題意より与えられた条件を基に各パラメータに数値を代入して計算すると、<画像4>のようになります。

<画像4>

ここまで書ければあとは簡単な計算のみです。

・$E_{q}[p.u.]$を求める

$$\begin{align}E_{q}&=\sqrt{(Vcosφ)^{2}+(Vsinφ+X_{q}I)^{2}}\\&=\sqrt{(0.8^{2}+(0.6+0.9)^{2}}\\&=1.70[p.u.]・・・(答)\end{align}$$

・$sin(δ+φ)$を求める

$$\begin{align}sin(φ+δ)&=\frac{X_{q}I+Vsinφ}{E_{q}}\\&=\frac{0.9+0.6}{1.70}\\&=0.8823≒0.882・・・(答)\end{align}$$

・$E$を求める

$$\begin{align}E&=E_{q}+(X_{d}I-X_{q}I)sin(δ+φ)\\&=1.70+(2.00-0.90)×0.8823\\&=2.670\\&≒2.67[p.u.]・・・(答)\end{align}$$

(3)発電機の定態安定限界出力における負荷角$δ_{m}$を求める

題意より、出力$P[p.u.]$は以下の式で表されることが示されている。

$$P[p.u.]=\frac{VE}{X_{d}}sinδ+\frac{1}{2}(\frac{1}{X_{q}}-\frac{1}{X_{d}})V^{2}sin2δ・・・①$$

限界出力となる負荷角を求めればよいので、上式を負荷角$δ$で微分し、$\frac{dP}{dδ}=0$と置いてやれば求まりそうです。

では、①式を微分してやりましょう。

$$\frac{dP}{dδ}=\frac{VE}{X_{d}}cosδ_{m}+(\frac{1}{X_{q}}-\frac{1}{X_{d}})V^{2}cos2δ_{m}=0$$
両辺に$X_{d}X_{q}$をかけて、

$$X_{q}VEcosδ_{m}+(X_{d}-X_{q})V^{2}cos2δ_{m}=0  $$ ※$cos2δ_{m}$の変換は<参照1>へ

$$X_{q}VEcosδ_{m}+(X_{d}-X_{q})V^{2}(2cos^{2}δ_{m}-1)=0$$

展開して整理すると下記のように、$cosδ_{m}$に関する二次方程式が得られる。

$$2(X_{d}-X_{q})Vcos^{2}δ_{m}+X_{q}Ecosδ_{m}-(X_{d}-X_{q})V=0$$

これを二次方程式の解の公式を用いて、$cosδ_{m}$について解くと、次式が得られる。

$$cosδ_{m}=\frac{-X_{q}E±\sqrt{(X_{q}E)^{2}+8(X_{d}-X{q})^{2}V^{2}}}{4(X_{d}-X_{q})V}$$

$cosδ_{m}≧0$であるので、

$$cosδ_{m}=\frac{-X_{q}E+\sqrt{(X_{q}E)^{2}+8(X_{d}-X{q})^{2}V^{2}}}{4(X_{d}-X_{q})V}・・・(答)$$

となる。

(4)各種数値を代入して$cosδ_{m}$を求める

(3)で求めた式に数値を代入していくと、

$$\begin{align}cosδ_{m}&=\frac{-0.9×2.670+\sqrt{(0.9×2.670)^{2}+8(2.0-0.9)^{2}×1^{2}}}{4(2.0-0.9)×1}\\&=0.3473\\&≒0.347・・・(答)\end{align}$$

が求まる。ここはシンプルですね(^^♪

 

参照リスト

 

1.$cos2δ_{m}=2cos^{2}δ_{m}-1$の導出

$$cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ$$

より、

$$cos2α=cos^{2}α-sin^{2}α・・・②$$

$sin^{2}α+cos^{2}α=1$より、$sin^{2}α=1-cos^{2}α$となりこれを②式に代入すると、

$$cos2α=2cos^{2}α-1$$

となり、$α→δ_{m}$と置き換えると、

$$cos2δ_{m}=2cos^{2}δ_{m}-1$$

が導出される。

 

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