【二次電池とは】各種二次電池の種類と特徴・反応式まとめ【電気化学】

二次電池とは

二次電池は、

「放電した後も、充電することで繰り返し使用できる電池」

のことを言います。

一方で、一度放電すると使用不可になるものが「一次電池」になります。

今回は、この『二次電池』についてまとめていきたいと思います。電験三種では「鉛蓄電池」や「リチウムイオン電池」が出題される印象ですが、いつどの電池に関する問題が出題されるかは分かりません。なので、様々な種類の電池を知っておきましょう。特に今の世の中、電力系統における電池の役割が重要になってきています。今後のためにも知識として持っておくとよいかもしれません。

二次電池の種類

鉛蓄電池

構造

正極活物質に二酸化鉛$PbO_{2}$、負極に鉛$Pb$、電解液に希硫酸$H_{2}SO_{4}$を用いた二次電池になります。

画像1

特徴

  1. 公称電圧:約2V
  2. 安定した品質・高い信頼性
  3. 長期保存中にサルフェーション(※)発生する。
後ほど解説しますが、鉛蓄電池は放電時に電極に硫酸鉛($PbSO_{4}$)が生成されます。放電後に速やかに充電を行えば、この硫酸鉛は電解液に溶け込むのですが、長期間放置されると硫酸鉛が硬質化してしまうのです。その結果内部抵抗が大きくなり、バッテリー容量低下の要因となってしまいます。この現象をサルフェーションと言います。

放電反応

画像2

充電反応

画像3

反応式

画像4

全反応を見て頂くと、放電反応時(緑矢印)に硫酸($H_{2}SO_{4}$)が減少し、水が生成されます。したがって電解液の濃度と比重が徐々に減少していくという特徴を持ちます。

リチウムイオン二次電池

構造

リチウムイオン二次電池は、正極にコバルト酸リチウム($LiCoO_{2}$)、負極に炭素材料($C$)、電解液に有機電解質を用いた二次電池です。具体的な構造を下の<画像5>に示します。

画像5

特徴

  1. 公称電圧:3.6~4.0V
  2. エネルギー密度が高い
  3. メモリー効果(※)が無い
  4. 自己放電が少ない(自己放電率5~10%)
バッテリーの電気量が残っているうちに充電をすると、その後の充電量が減ってしまう現象をメモリー効果と言います。

放電反応

充電反応

反応式

ナトリウム硫黄電池

構造

ナトリウム硫黄電池(通称NAS電池)は、正極に硫黄、負極にナトリウム、電解質に固体電解質ベータアルミナセラミックスを用いた二次電池になります。

特徴

  1. 公称電圧:約2V
  2. 理論エネルギー密度がリチウムイオン電池以上
  3. 自己放電がほとんどない
  4. 高効率

放電反応

充電反応

反応式

レドックスフロー電池

構造

レドックスフロー電池は、活物質の溶液をポンプで循環させ、充電放電反応を起こす二次電池になります。

特徴

  1. 公称電圧:1.15~1.55V
  2. 電解液の劣化が無いため、半永久的に利用可能。
  3. 常温で運転可能で、不燃難燃材料で構成されているため安全である。
  4. エネルギー密度が低いので小型化には向いていない。
  5. 構造が単純で大型化が容易なため、大規模な電力貯蔵用蓄電池とすることが可能。

放電反応

充電反応

反応式

ニッケルカドミウム蓄電池

構造

ニッケル・カドミウム蓄電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、負極に金属カドミウム(Cd)、電解質に水酸化カリウム(KOH)を用いた二次電池です。

特徴

  1. 公称電圧:1.2V
  2. 内部抵抗が低いので、大電流放電が可能である。
  3. メモリー効果が大きい。
  4. 自己放電が大きい。

放電反応

充電反応

反応式

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