【電験一種合格体験記】”独学”での第一種電気主任技術者試験合格までの道のり【頑張る皆様へ】

ご報告

当ブログ管理人は、この度電験一種に無事合格することが出来ました。電気の館をご覧になってくださった皆様。応援ありがとうございました。

今回は、私の電験遍歴を確認したうえで、どんな取り組みをしてきたのかをまとめていこうと思います。電験一種のみならず電験二種を受ける方にも参考になるかと思いますので、是非ご覧ください。

電験一種までに用いた本やグッズの紹介は下記リンクにて行っておりますので、是非ご覧ください。

関連記事

皆さんこんにちは!NORIです。 この度R4年度に、晴れて『第一種電気主任技術者試験』に合格することが出来ました。ここでも改めて皆様からの応援に感謝申し上げます。有難うございました。 [sitecard subtitle=関連記[…]

電験遍歴と各年の取り組み

電験遍歴

私の電験遍歴は画像の通りです。

特徴としては、

  • 電験二種を受験していないこと
  • 電験三種・電験一種のどちらも一度落ちていること

が挙げられます。三年で攻略するのは比較的早いかと思いますが、取り組んだことを書いていきますので是非参考にされてください。

1年目(R2年)『電験三種初受験』

目標設定と取り組み

この年の目標は、4科目を一気に取得する「1発合格」に設定していました。

取り組んだことは、

  • 4科目が一冊にまとまった参考書を何周も読み込む(4周ほど)
  • 10年分過去問をひたすら何周も解く(7周ほど)

が主に挙げられます。

結果

結果は、理論・機械・電力科目の合格。機械科目不合格(1問落とし)でした。惜しくも一発合格ならずといった具合でした。

反省点

この年の反省点は、

  • 参考書を何周も読む必要がなかった
  • 過去問の解き方を工夫すべきだった
  • 余裕があるときに、専門書を読むべきだった

という3点があげられます。

私の考えるオススメの参考書の使い方は、まず「分からないところを調べて書き込みながら1周読む」ことを行い、それ以降は、「過去問で分からないところが出てきたときに辞書的に使用する」方法が良いと思います。

そして「過去問の進め方」ですが、私がこの年どのような進め方をしていたのかというと、年度ごとに解いていっただけ。という進め方です。年度ごとに進めること自体は悪くないのですが、この進め方”だけ”を行っていたのが良くなかったと思います。例えば、縦割りで問題を解いていくやり方もあります。変圧器の計算のみ、誘導機の論説のみを解いていく、といったような進め方です。この方が各分野の特徴や傾向をつかみやすいと思います。

最後に専門書についてですが、これは努力目標です。私の場合、この年の機械科目が非常に難化し、難しい論説問題が多く出題されました。難しい論説問題に対応するためには、電験の参考書では限界があるなと感じることが出来たのもこの年の収穫点です。

2年目(R3年)『電験三種リベンジと電験一種挑戦』

目標と取り組み

この年の目標は、

  • 電験三種機械科目合格(電験三種合格)
  • 電験一種合格

に設定しました。

取り組んだことを大まかに記すと、

  • 電気数学を固める
  • 電験二種の一次・二次の問題に取り組む
  • 電験一種の一次・二次の問題に取り組む
  • 専門書を読むことを学習に取り入れる
  • 隙間時間に論説を読む

です。この取り組みを行ったスケジュールを大まかに示します。

二年目の大まかなスケジュール

画像を見て頂くと、専門書や論説を読んでいる箇所が見当たらないかと思いますが、それはなぜかというと、空いた時間に読んでいたからです。「この期間取り組む」というより、「時間が出来たとき」に読んでいました。なので一日の内、机に向かっている時間は約2~3時間で、仕事の休憩中やトイレに行くとき、歯磨きをするときに専門書を読むということを行い、結果的に+1時間くらい確保できたでしょうか?

2021年の5月末までは、電験二種の受験を予定していたのですが、様々訳あって一種に挑戦することを決意します。

「迷ったら難しい方を取る」

結果的に、この選択を取って自分を追い込んだことは正解であったと感じています。

一種受験の決断後、早速一次試験10年分過去問に取り組み始めました。大体4,5周くらいは行ったと思います。法規に関しては一年を通してアプリを活用した勉強も並行して行いました。

結果

結果は「電験三種合格、電験一種一次試験合格」となります。

そしてここからが、鬼の追いこみ期間となるのです。一次試験に一発で合格したは良いものの、二次試験の勉強に全く取り組めていなかったので、ここからは4,5時間の勉強時間を取っていたように思います。

今回自分の過去の行動を振り返ったのですが、かなり詰め込んでいたんだなぁと自分で感心します(笑)

反省点

この年の反省点は、

  • 「選択と集中」を行わなかった
  • 論説問題を全て手書きで解くことは最善ではなかった
  • 二次試験会場の雰囲気に飲まれてしまった

ということでしょうか。

一つ目の「選択と集中」に関してですが、良く言えば、計算問題と論説問題にまんべんなく取り組んだ。と言うことが出来ます。しかし悪く言えば、全て中途半端になってしまった。と言うことになります。SNS上で合格を勝ち取った方々は、論説特化もしくは計算特化、のようにどちらかに特化した勉強をされていたように思います。満点を取る必要はありませんから、どちらかに重点を置いて取り組むことも重要であるとここで理解します。

二つ目に関してですが、今思えばこれは「根性論」に近いものであったなと感じています。

「時間がない!とにかく書け!書け!書け!」

といった具合です(笑)。その結果、本番の論説は解くことが出来ず、得たものは「左手の腱鞘炎」という結果になりました(笑)。これに対してどのような対策を取ったのかは、次の年のところに書きます。

三つ目に関してですが、そもそも二次試験自体が初だったので、かなり緊張していたこともあります。「雰囲気」と抽象的な表現をしていますがシンプルに、「二次試験の経験不足とプレッシャーが重なり潰された」ということです。

電験三種の合格と電験一種二次試験の経験。かなり得たものが多かった年でした。

3年目(R4年)『電験一種二次試験リベンジ』

目標と取り組み

この年の目標は、

  • 電験一種合格

この一点です。

取り組んだことは、

  • 当ブログ「機械の泉」開設
  • 電験一種二次試験演習
  • 専門書を読む

といった具合です。この年のスケジュールを示します。

三年目の大まかなスケジュール

三年目は、二年目の反省点を生かすこと、そしてアウトプットを積極的に行うことを意識して勉強を行いました。まず、試験が終わって少しした後、当ブログ『機械の泉』を開設します。思惑としては、アウトプットすることによって基礎の定着を図り、理解を深めることでそこから発展させやすくすることです。ここから少しずつ記事を書いていくわけですが、思った以上の効果があったように思います。

人に伝えるためには、自分が誰より理解していなければいけないので、記事を書くための勉強も行う必要がある訳です。勉強して、人に理解してもらえるようにまとめて、自分なりの表現・イラストで記事を作る。かなり良いです。

一、二年目はインプットばかり行っていましたが、三年目は

インプット:アウトプット=3:7

くらいの割合に変わったと思います。アウトプットを増やすことで、インプットする際の意識も変わり、とにかく理解することに重点を置くことが出来るようになったと思います。

そして肝心な二次試験対策ですが、ここでも勉強方法を一新することになります。専門書を読むことは変わっていませんが、大きく変化した点としては、

  • 机に向かうときは計算問題を解くことのみを行う
  • 縦割り学習を取り入れる

といったところです。

一つ目に関しては、二年目の「ひたすら手書き」からの脱却です。この年ははっきり言って「一文字」も書いていません。とにかくyoutubeで聞いたり、朝起きてから読んだり、仕事の休憩中に読んだりすることに徹底し、書くことを一切やめました。書く時間を省いて、新たな知識を吸収することを選んだのです。シンプルに書くことが嫌になったのもありますが、かなりの方向転換だったと思います。

二つ目の「縦割り学習」もかなり効果的です。縦割りというのは例えば、「変電計算のみ」「火力論説のみ」といった具合に、年度ごとに過去問を解くのではなく分野ごとに解いていきます。こうすることで分野ごとの問題の傾向の把握が出来、より理解を深めることが出来ます。

結果

結果は冒頭で申し上げた通り「電験一種合格」です。

以上が電験遍歴です。

では目標を達成するためには何が大切なのでしょうか。少し書いてみます。

目標を達成するために大切だと思うこと

以上の電験遍歴は「私にとって」必要なことを取り入れ、「私にとって」見合った学習法を探してきた試行錯誤の歴史になります。この学習法が、見てくださっている皆様にとっても最善であるとは全く思いませんし、強制することもありません。人には向き不向きがあるからです。ここまでのアウトプットをしなくても合格される方もいますし、論説を手書きで書きなぐって合格する方も中にはいるでしょう。

しかし、個人的に確信をもって重要だと言えること何なのかというと、

方向転換しながら継続する事

です。これは誰にとっても重要なことであると思います。ゴールに向かって適切に方向転換しなければ、いつまでもゴールの方向に向かうことはできません。そして、継続しなければ、方向転換しても前に進みません。方向転換と継続。この二つがセットになって目標は達成できるのだと思います。

是非、私の学習法を見て、自分なりの最適解を見つけてください。その過程で得たものが、人生を豊かにするために強力な武器になってくれると思います。

頑張る皆様へ感謝とエール

ここまで学習に関して書いてきましたが、もう一つ言えることは、私がここまで頑張れたのも、応援してくださる皆様、見てくださっている皆様がいたおかげであることに間違いありません。周囲にこの資格を取得する人が少ないので孤独な戦いになりがちですが、SNS上ではたくさんの方と切磋琢磨することが出来ました。毎日勉強する様子をツイートしてみえる方、私のブログを読んで感謝してくださる方、他人の疑問に一生懸命答えてみえる方、仲間を作って楽しく勉強してみえる方、毎朝早い時間帯から勉強してみえる方、同じく発信をされており誰かの役に立ちたいと頑張る方、挙げるときりがありませんが、たくさんの素晴らしい方に出会いました。

「彼らに負けていられない!!」

この思いが、楽しくもあり辛くもあった私の勉強生活に、活気を与えてくれました。刺激を与えてくれました。

本当にありがとうございました。

 

今回の電験の合格発表の当事者の皆様。見事合格された方もいれば、当然落ちてしまった方もいたでしょう。合格された方は、私と一緒にこれからも資格の名に恥じないよう研磨を続ていきましょう。私は、落ちてしまった方に伝えたいことがあります。それは、

どれだけ落ち込んでも歯を食いしばって継続してほしい

ということです。落ち込んでしまうのは人間であれば当たり前の話ですし、頑張った証拠です。私自身、電験三種と電験一種に一度ずつ落ちたときは、もう本当に、ものすごく落ち込みました。

あれだけ勉強したのに何故…。

周りが期待してくれているのに落ちた…。

また一年勉強…。

SNS上は合格報告であふれているのに、自分は落ちてしまった。そんなはずはないのに、自分だけ落ちたのではないかといった錯覚にも陥る..。一言で言えば、本当に悔しいのです。

その気持ち。良く理解できます。

しかし私は、落ちた後でも勉強を続けました。毎日毎日、どれだけ眠くても、どれだけ仕事で疲れていても、必ず机に向かいました。眠たすぎて、気が付いたらノートになぞの線を書いていた時もあります(笑)。よだれが垂れていたこともあります。

歯を食いしばって机に向かい続けた結果、今回無事リベンジを果たすことが出来ました。勉強期間中は本当に大変ですが、合格した瞬間の喜びは、もう、言葉にできません。中々感じることのできない、達成感を味わうことが出来ました。辛かったことが一瞬で全て報われたのです。

途中であきらめていたら、当然この達成感は味わえなかったでしょう。何より、「途中であきらめた自分」を嫌いになってしまうでしょう。でも、あきらめなかった結果「辛くても継続して結果を出せた自分」がそこにいるのです。電験一種という資格も大きな武器になりますが、私は何より、その過程で得たものの方が、今後の人生において自分に自信をもたらし、武器になってくれると確信しました。

今回落ちてしまった方、自分にとって本当に必要だと感じているのなら、受かるまで続けてほしいです。本当にしんどかったらお休みするのも大切でしょう。でも、本当に必要なら、また戻ってくるはずです。その時はまた、歯を食いしばって勉強しましょう。資格以上に大切なものを得ることが出来るかもしれません。挑戦する意義はそこにあります。

「社会人の平均勉強時間は6分」とか言われている中で、お仕事をしながら、子育てをしながら、一日何時間も勉強されている方を沢山知っています。まず間違いないのは、

頑張っている人はそれだけで素晴らしい!

のです。他人にひたすら攻撃する人がいる中で、自分に矢印を向けて頑張っている姿は何と言われようとかっこいい。結果はどうであれ、私はそう思います。でも、結果が出なければ報われないのです。その場合、努力の方向を少し変えてあげれば大丈夫。そもそも何もしない人は、方向を変える事すらできないのだから。

まずは、頑張っている自分に誇りをもって、少しずつ合格に向かって方向転換していきましょう。

このサイトは今後も進化と方向転換を続けながら更新していきますので、微力ながらお手伝いできれば幸いです。最後に、

 

既に頑張れているあなたなら、きっと大丈夫!

 

電気系の情報発信をしています。